【2019年10月7日発行:GET'S 112号掲載】

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ソロデビューアルバムリリース、おめでとうございます。10曲の前島さんの「思い」が世の中に開放されるということの、率直な感想をお聞かせください。

ありがとうございます!感謝や喜び半分、不安や緊張半分、といった心境です。歌詞が英語であったり、メロディも自分の引き出しの中から自然と出てきた、あくまで自分好みのものであったりするので「皆さんは日本語の歌詞の方が好きなのではないか」「ここでこういうメロディにした方がウケが良いのではないか」といった、いわゆる戦略的な思考は一切入っていないんです。なので、皆さんに気に入っていただけるのかという不安や緊張があります。その分「商業的に良いと思えるうた」ではなく「自分が心から良いと思えるうた」が作れたので、歌詞、メロディ共に「私のありのまま」を形にさせていただけたことへの感謝や、そんな「ありのまま」を皆さんにお届けできる喜びもあります。

「うた」で勝負したいからこその英語歌詞にこだわる前島さんですが、これならば歌ってみたいと感じる日本語の歌はありますか?

自分が心から「良いメロディだなあ」と感じるものであれば、どんなものでもうたってみたいです。私が英詞でうたう理由のひとつに“私が好きなメロディが、たまたま日本語を乗せるのには向いておらず、英語を乗せる方が向いているメロディだから”というのがあるので、純粋に「あ、このメロディ良いな、うたいたいな」と思えるかどうかが、私にとって恐らく非常に大事なのだと思っています。メロディと言語の相性というのは少なからずあると思うので、日本語が合うメロディにあえて英語を乗せたいとは思わないんです。なので、そうした日本語が合うメロディで、純粋に良いと感じるものであれば、どんなうたでもうたいたいと考えていますし、またアニメの主題歌などもやれたらいいなあと思っています。

『シンガー・前島麻由』ではなく、『人間・前島麻由』を構築する主な要素を、最大5つ挙げてください。

「過去」「思い出」「家族」「友人」「果物」

MYTH & ROID時代にはいくつものアニメ主題歌を担当されておりましたが、前島さんご自身が実際にご覧になった作品はありますか?あれば、その作品の感想をお聞かせください。

自分が主題歌をうたわせていただいたアニメはすべて見ていました。ソロとなった今もMYTH & ROIDでも共通しているのは、やはり「うたに乗せる思いは負の感情である」というところで、そのようなテーマや楽曲イメージだった為、担当するアニメはどれも「ただ楽しいだけ」「ほのぼの」といった世界観のものではなく、自分でその作品の面白さを深めながら見ることができたのが楽しかったです。今も変わらずキャラクターたちが大好きですし、そんな個性と魅力溢れるキャラクターたちに出会えたこと、そして、そういった作品の世界観を彩るお手伝いができたことを、誇りに、幸せに、思っています。

この雑誌は北海道・札幌での発行をしています。「北海道」「札幌」に対する率直なイメージをお聞かせください。

パッと思い浮かぶイメージは「食が豊かで美味しい」「景色が綺麗」「寒い」の3つです。高校3年生のときの修学旅行が、事前に候補で決まっている県の中から自分でグループを組み、好きな県を選んで行く、というスタイルだったのですが、これらのイメージから、私は迷わず北海道を選びました(寒いのは苦手なのですが笑)!そのときが初めての北海道だったのですが、食も景色も、どれを取っても本当に楽しくて。私は植物の中で桜が一番好きなのですが、行ったときがちょうど満開の時期で、とても嬉しかったこともよく覚えています。

北海道の前島さんファンの皆様に、メッセージをお願いします。

北海道にお住いの皆さん、こんにちは!ソロ活動で初めて私を知ってくださった方もいらっしゃれば、前の活動のときから応援してくださっている方もいらっしゃるかと思います。今回のソロデビューアルバムは、私の「ありのまま」がそのまま形になりました。それは「曲のルーツ」であったり「歌詞の内容」であったり…と様々な面においてなので、ぜひアルバムを聴いていただき、感じ取っていただけると嬉しいです。そして、言語関係なく、純粋にメロディやうた声を楽しんでいただいたり、メロディを聴いて該当した感情を引っ張り出してきて、そういったご自身の感情を、思い出したり、愛していただける時間にしていただけますと幸いです。勿論、気になった方はぜひ意訳も読んでいただいて、私がどんな思いを遺しているのかもあわせて楽しんでくださいね。私の「ありのまま」の中から、あなたのお気に入りの一曲が見つかることを、心から願っています。