【2019年5月7日発行:GET'S 107号掲載】

a107

Answered 大胡田なつき

パスピエ結成10周年、おめでとうございます。10年の月日を振り返って、一番印象に残っているエピソードは何でしたか?

初めてスタジオに入った日です。
鍵盤の成田さんが集めたメンバーだったのでお互い知らない者同士で。どんな感じの人間なんだろうって探り合いながら曲を演奏したりセッションしたり、ちょっとヒリヒリとした空気の中でやり合っていたのを覚えています。

5thアルバム『more humor』では「わかりやすく〝変わった〟と感じてもらえるアルバムにしたかった」と大胡田さんがコメントしていらっしゃいました。サウンド面での新しい試みや変化を楽しめるアルバムを作るにあたり「一個人としての自分」を意図的に変えた部分はありますか?

歌は「表現するから見て!聴いて!」というよりも人に寄り添った内容のものにしたいなと思っていました。今までファンタジーというか想像の世界の歌が多かったと思うんですが、今回は想像と現実と半々くらい。まるっと自分の体験というわけではないですが、音やメロディー、映像といった外からの刺激を受けて出てきた言葉ではなく自分の内側から引きずり出してきた言葉をよく使ったので、歌詞を書いている間は気持ちの浮き沈みがすごくて一日中起き上がれない日があったり(笑)

リード曲『ONE』で「未知の領域」を感じられたそうですが、その「未知」が「既知」になった現在、新たにチャレンジしてみたい方向性は生まれましたか? それはどのようなものでしょうか?

『ONE』で音楽の機械的な面と肉体的な面の、パスピエなりの繋ぎかたを見つけられたと思うので、バンドというものに程よく縛られながら(良い意味で!)ジャンルや形を越えてやっていきたいです。

これからの10年、パスピエはどのような未来を私たちに見せてくださいますか? 是非、抱負をお願いします!

わたしたちがジャンルになります!って勢いでやっていきたいですね。結成してからの10年で音も環境も変わったので、いつまでも成長期でいきたい。

こちらの取材を掲載する雑誌は、記念すべき令和元年最初の発行号になります。「令和」という元号を受けて、率直に感じたことなどを教えて下さい。

なんと!記念すべき号に掲載していただけるなんて、嬉しいです。
初めて「令和」という文字を目にしたときは、令、という文字が元号に入ることってあるんだなと思いました。命じるとか掟みたいなイメージが強かったので。
響きがとても綺麗ですね。これから令和を生きる者として、辞書片手に万葉集を読んでみようと思いました。

全国ツアーで7月6日に札幌にいらっしゃるパスピエを心待ちにしているファンの皆様に、メッセージをお願いします!

待ってたよ!ずっと待ってた!みなさんに会いたくて仕方がないです。『more humor』はまず音源で味わって、ライブでは生の音で興奮していただきたい。パスピエの生のユーモアお届けします。ライブ会場で会いましょう。