【2014年8月7日発行:GET'S 50号掲載】

〜6/18にセカンドフルアルバム「幕の内ISM」がリリースされましたが、聴きどころを教えてください。〜
やお:
「幕の内ISM」っていうタイトルは曲がすべて出そろってから出来たタイトルなんですけど、タイトル通りのバラエティ豊かなものに出来ました。全部聴きどころと言えば聴きどころですね。アルバムを通して聴いてもらった時にリスナーの…何て言うんですかね、好きなところを攻められればいいなと思っています。
成田:
僕は前回出したアルバム「演出家出演」はCDを聴いてライブに足を運んでもらえる作品にしたいっていうのがあったんですけど、今回はCDだけでも楽しめるというか、より充実した音楽的な内容にしたいと思ったので、音楽的な仕掛けというか、歌の歌詞でもそうですし歌い方などいろいろあるんですけど、そういうことを散りばめることで、1回目聴いた印象と2回目聴いた印象、3回目4回目…また通して聴いた時の印象と、何度も楽しめるような作品になるように仕上げました。僕らの1stアルバムから聴いてくれている人もいれば、今回のアルバムで僕らのこと知る人もいると思うんですよ。やっぱりそういう人のために対しては逐一「パスピエってこういうのやってますよ」ってことは伝えなきゃいけないと思ってるので、今回「幕の内ISM」ではやっぱり「僕ららしさ」みたいなもの感じてもらえればと思いますね。 

〜あまり「顔」を見せない、ミステリアスな部分が多いのですが、何かねらいがあったりするのでしょうか?〜
成田:
ねらいというか…最初は大胡田が描くイラストが面白かったからですかね。普通だったらアーティストの写真をジャケットにするのを大胡田のイラストにしてみたら面白いんじゃない?…と。僕らのねらいとしては、ライブに来て盛り上がってほしいということもあるんですけど、僕らが発信するものを受けて、「想像を膨らませて欲しい」というものが大きくあります。それっていうのはお客さんにそういう限られた情報の中から想像して欲しいっていう意図があり、結果的に「顔を出してない」ということで想像性を膨らませてもらってますね。今となってはすごいある種の「僕ららしさ」でもあるのかな〜と。

〜ライジングサン出演が決定!意気込みや、「ここを観てくれ!」という強い想いがあればお聞かせください。〜
やお:
北海道はイベントやワンマンで3、4回しか来ていないので、「名前は知ってるけど知らない」とか「友達に誘われたから行ってみようかな〜」とか、何となーく来たような人たちにも「こいつらすげぇじゃん」っていう風に思われるようなパフォーマンスをしたいなと思います。好きな人たちはもちろん楽しませますし、むしろ「ちょっと嫌いだけど見ようかな…」って感じの人がもしいれば、そういう人たちに「…でもライブすげぇじゃん」って言われるようなライブが出来たらいいな…と。
成田:
僕は「パスピエ」っていうバンドはいろんな音楽性を取り入れてやってて、ある種それってその、曲次第では「フェスっぽくない」っていうこともあるかもしれないんですよ。今のフェスらしい音楽ではないのかもしれないんですけど、そういう曲もフェスで通用するように僕らもライブを仕上げていくつもりではあるんで、「新しいパスピエを観に来て欲しい」というのはあります。

〜「パスピエ」がこれから目指すものとは、何でしょうか?〜
成田:
僕らとしてはやっぱり「音楽」っていうことではなくて、それこそライブだったりイラストだったりミュージックビデオだったり、いろいろ多方面で表現という場を設けてるんですけど、「パスピエ」っていう『カルチャー』として魅せていけたらなぁと思っています。「バンド」っていう…まぁもちろん母体はそうなんですけど、そういうものだけではなくて、「パスピエ」っていう…アート…とまでは大袈裟ですけど、いろんな表現をする集団ということで発信していけたらなぁと。
やお:
結構具体的な目標は持たないようにしているというか、常に自分達にできることをするっていう…現状で出来ることをするっていうのをちょっとずつ積み重ねて行くイメージですかね。
成田:
僕らの発信していくものと、世間のニーズみたいなものが少なからず関係してくると思うので、具体的な目標というよりも、これから僕ららしいことを続けていくうちに到達している感じでしょうか。
やお:
パスピエっていうバンドを好きになってほしいとか好きか嫌いかということではなくて、カルチャーとしてだったりとか、パスピエっていう名前をまず認知してもらいたいっていう目標というかがありますかね。
成田:
やっぱり僕らもまだまだ若手の「Jロックの中の1バンド」だと思うので、そこが今作をきっかけにもっともっと広い層に届けられたらいいなと思います。

〜最後に、北海道のファンの皆さんにメッセージをお願いします。〜
成田:
僕らは「顔を出していない」ということもあって、限られた情報の中で僕らを見つけるのって結構見つけにくいとは思うんですけど、この記事を読んでパスピエを知ってくれたりとかしてくださっている人たちを絶対裏切らないように常に活動を心がけてしているので、これをきっかけにパスピエという存在に目を向けてくれたらなぁと思います。
やお:
少しでも気になったら、調べていただけると嬉しいですね。ネットで検索をかけると、YouTubeとか絶対辿り着けると思いますので、僕らも期待に応えられるようがんばっていきます。好きになってもらえたら嬉しいです。


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